Films from the program will also be screened in Tokyo as part of TJFF in Hibiya!
今や世界でも最大規模の日本映画祭となったトロント日本映画祭ですが、これもひとえに皆様の厚いご支援の賜物と、深く感謝申し上げます。今年度も皆様の期待に応えようと、早くから準備を進めてきました。 しかし新型コロナウイルスの影響で、多くの映画祭が開催延期や中止に追い込まれ、トロント日本映画祭でも、恒例の6月の開催を断念せざるを得ませんでした。しかしその後も状況を把握しながら議論を続けた結果、観客や関係者の感染の危険を回避するために全作品オンライン上映という形で、10月に第9回トロント日本映画祭を開催することを決定しました。
オンライン上映可の作品という制限がある中、今年も数ある日本映画の中から、トロント日本映画祭に相応しい作品を選びました。子供から お年寄りまで楽しめるように、時代劇、現代ドラマ、コメディ、アニメーション、ドキュメンタリーなど幅広い分野を網羅したラインナップとなっています。日本で多くの支持を得た作品や、国内外の映画祭などで受賞するなどの話題の作品ばかりで、皆様の観たい作品がきっと見つかるでしょう。作品の殆どは北米、カナダあるいはトロントプレミアとなります。トロント日本映画祭では日本映画を皆様に紹介するだけではなく、作品を通して日本文化に触れてもらい、友好を広げるきっかけに なればと願っています。それはトロント日本映画祭を主催する日系文化会館の使命とも重なります。映画祭の売り上げの一部は会館のヘリテージプログラムの為に利用されます。
来年は第10回という記念すべき回になります。今も懸命に努力されている医療関係者の皆様の苦労が報われて事態が収束し、来年6月には皆様と小林ホールでお会いできますよう心から祈っています。
それでは皆様、素晴らしい日本映画の数々をご自宅から安全にお楽しみください。
“トロント日本映画祭の素晴らしいところは日本映画を取り 巻く今現在の状況を見事に切り取っていることにあると思 います。今の日本の映画界がどうなっているかを肌で感じる 事が出来るのです。映画という物、特に商業映画に内包され るその国の情報という物は想像以上に豊かな物です。 この 取り組みは、実は今の“日本そのもの”をトロントの皆さんに 紹介してくれているのだと思います。”
山崎貴監督 『( 海賊とよばれた男』2017年上映作品)
“トロント日本映画祭は第4回にして既に、日本映画を世界 に発信するもっとも重要な窓口としてその地位を築きつつあ ります。上映作品個々の規模や予想観客動員数には幅があ りますが、ラインナップとしては日本映画のトレンドを完璧に 網羅するものでした。我々日本の映画制作者は、ここに日本 映画の未来の在り方を見出だすことができると思います。”
原田眞人監督 (『駆込み女と駆出し男』2015年上映作品)