東北を支援して10年

日系文化会館のJCCC基金は3.11地震/津波/原発事故で被災した子供達に
150万ドルの支援を行いました

 

それは決して忘れてはならない日です。

2011年3月11日、日本は観測史上最強の地震を経験しました。マグニチュード9.0という非常に強い地震が東北最大の都市仙台の沖130km(80マイル)の海底30km地点で発生しました。

縦300km、横150kmの広範囲で大地を揺らした巨大地震は、海底を10m(33フィート)も押し上げて、そこで発生した津波は最大40m(132フィート)ほどの高さまで大地を駆け上りました。

巨大な津波により社会基盤となる建物・道路・交通などの施設設備が甚大な被害を受けました。十数万棟の家屋、商業施設建物、道路、鉄道等が全壊流失し、津波は更に福島第一原子力発電所のメルトダウンの起因となりました。この原発事故で有害な放射性物質が大気中に放出拡散され周辺住民は家やビジネスから強制退避をさせられました。

津波で45万人以上が住む家を失いました。地震と津波による死者は2万人、行方不明者は2千5百人と、合わせて2万2千人以上の命が失われました。

地震発生から3日後の3月14日、JCCCは日本赤十字社に10万ドルを寄付しました。そして日本地震救援基金(JERF)を設立しました。JCCC基金のJERFにはトロント並びに周辺地域から150万ドルの義援金が寄せられました。

この基金を最大限に活かすために、JERFでは以下三つのプロジェクトに資金を活用しました。

  1. 1)JCCC基金はJERFを通して、被災した子供/学生支援の為に、東北三県(岩手、宮城、福島)のそれぞれの自治体に10万ドルを寄付しました。
  2. JCCC基金はJERFを通して、東京のカナダ大使館が立ち上げた学生支援の「HOPE FOR YOUTH:ホープ・プロジェクト」に1万5千ドルを寄付しました。この支援プロジェクトは、被災した子供達のカナダでの語学研修を最長6か月まで援助するものです。
  3. JERFは、被災が原因で大学を中断せざるを得ない、また進学が困難となった学生支援の為に、三県の県立大学各々がJCCC基金用に設計した奨学金制度に基金を提供しました。

岩手県立大学、東北大学そして福島県立医科大学がその三大学で、これまでに130人が奨学金を受給しています。そのうちの38人は、放射線医学講座、放射線災害医療学講座、放射線健康管理学講座の放射線医学関連の講座を持つ福島県立医科大学の学生です。

JCCC基金のJERFは、今後も奨学金制度やその他の方法で、この未曽有の災害で影響を受けた子供達の支援を続けていく所存です。

JCCC基金にご賛同頂いた4千以上の個人団体の皆様には、深く感謝しております。

東京のカナダ大使館の協力で、JERFが支援した学生達を大使館に招いてその学業達成を祝うイベントを行う予定でしたが、コロナ禍の現状を考慮し2022年に延期しました。

JCCCには“文化がわかる心が通う”というモットーがあります。大災害がきっかけではありましたが、JERF活動を通じて多くの新たな出会いがありました。皆様にまたお会できる日を楽しみしています。

最後に皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。

 

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